恋するチューリップ
可愛いいだけじゃない
チューリップ
今年の春は実にじれったい。
暦の上では春を迎え、時折、温かい日差しを感じるや否や、
寒波が度々舞い戻り、雪を降らせていましたね。
それでも、梅や椿が咲くとやっぱり春がきたと嬉しくなります。
なかでも一番テンションが上がるのはチューリップかしら?
チューリップと言えば、オランダ…を想像するけれど、トルコの花だと言われています。
ヨーロッパに伝えたのはローマ皇帝フェルディナンドに仕える学者であったとされていますが、
ハプスブルク家にも深い縁を持っていたとも言われています。
ハプスブルク家と言えば、時々、コレクションが美術館で公開されますね。
ドイツ系貴族。中世に絶大な富と権力、広大な領土を手にした大大貴族です。
メディチ家同様、天文学や芸術、博物学などの支援収集に貢献したとされています。
チューリップはそういう時代の中にあって、知的な品としてヨーロッパへとやってきた!というお話。
それがいつしか、投機の対象に…。瞬く間に一世風靡し、オランダに広がったのです。
今では珍しくもない、とても身近なチューリップ。こんな時代で良かったわ。
球根。球根っていうのもいいですよね。球根から、すくっと伸びた茎。
しっかりとした曲線を描く葉に、プックリとした花びら。
新しいもの好きの貴族たちの心を鷲づかみにした、可愛いいだけじゃない花。
改めて見つめて…納得の美しさです。